臨界の創造論
未曾有の事態に直面する日本。この地に生きる私たちは、これまでの価値観や生活様式などについて、再考を余儀なくされています。21世紀初頭の30年間の芸術の変遷を追う本プロジェクトでは、Vol.00「臨界の芸術論」の初心に立返り、さまざまな人々と語り合う場を創造します。 タイトル「臨界の創造論」は、創造が単なる“新しさ”のみを生み出すのではなく、既存のモノや場の使い方などについて、複眼的に捉える想像力を意味しています。他方、表現環境への規制や制約が顕著な昨今、現代美術・音楽・デザインといった既存のカテゴリを超えた横断的な創造行為の派生や相関関係について、多岐にわたる視座から見渡した【現代表現群の系譜】の構築とその意義を検証します。 私たちは、この度のさまざまな試行を通じて“考ええぬものこそ、考え追求する” という思考の臨界点における芸術のつとめを果たすべく、多彩な出来事による時間を共有したいと考えます。
http://nam04-34.jp/
真夜中ミーティング / ダイアログ
1:
宇川直宏 × 服部滋樹 × 水田拓郎(dj sniff)
場所:
製図棟2F・White Chamber
ラウンドテーブル:
20日 22:00〜24:30
2:
今野裕一 × タニノクロウ / dj sniff / 山川冬樹
場所:
製図棟2F・White Chamber
パフォーマンスデモ&トーク:
21日 1:00〜3:30
宇川直宏
グラフィクデザイン、VJ、ミュージッククリップディレクター、執筆活動、現代美術家、大学教授など多岐にわたる活動を行い、既成のファインアートと大衆文化の枠組みを抹消し、フリースタイルでジャンルを横断する全方位的鬼才。2010年には日本初のライブストリーミングスタジオ兼チャンネル「DOMMUNE」を個人で開局。2011年5月、「プロジェクトFUKUSHIMA!」のコンセプトに賛同して福島に世界初のDOMMUNE支局を開局するなど、ソーシャルメディアを実験的に生かした様々な活動を展開している。
http://www.ukawa.tv/
服部滋樹
1970年生まれ、大阪府出身。graf代表、クリエイティブディレクター、デザイナー。美大で彫刻を学んだ後、1998年に様々な職種の友人たちとgrafを立ち上げる。grafでは代表を務めるほか、建築、インテリアなど空間に関わるデザインやディレクションを行う。プロジェクトではブランディングディレクションなどコンセプトを抽出しデザインで翻訳するように様々なアウトプットを行っている。
http://www.graf-d3.com/
水田拓郎(dj sniff)
1995年よりDJ活動開始。1998年にsmash TV productionsを組織、4年間にわたってanti-Gravity、 Bistrosmash!などを開催。2001年、ミックスCD Deframed Memories+-のリリースを機にDJとして数多くのイベントに参加。2007年〜12年までSTEIMのアーティスティックディレクターとして、100以上のコンサートやプロジェクトを企画/製作。ターンテーブルと独自の演奏ツールを組み合わせながら実験音楽/インプロビゼーション/電子音楽の分野で活動をし、これまで Club Transmediale Berlin、Warsaw Autumn、Japan Society NYCなどに出演。またEvan Parker、坂田明、大友良英ら共演多数。
http://www.djsniff.com/
今野裕一
ペヨトル工房主宰。芸術、思想、文学、舞台などを横断する雑誌『夜想』を創刊。以来、『銀星倶楽部』『Ur』『WAVE』などの雑誌を出版しつつ、イベント、展覧会などのプロデュース、ディレクションする。ダンス作品の演出にも長年携わっている。浅草橋にオルタナティブ・ギャラリー『パラボリカ・ビス』を運営。
http://www.yaso-peyotl.com/
タニノクロウ
1976年富山県出身。2000年大学在学中に庭劇団ペニノを旗揚げ。 元精神科医。通常の劇場公演とは別に、絵画や彫刻を趣味とするこだわりによって、自宅マンションを改装したアトリエ「はこぶね」(維新派・松本雄吉氏が命名)を開館。幻想世界を細部までつくりこんだ空間造形により、奇妙な絵本のような独自の世界観を表現し、日本・ヨーロッパを中心にフェスティバルにも多数参加、常に演劇の枠組みを拡張する活動が高い評価を得ている。
http://www.niwagekidan.org/
山川冬樹
1973年ロンドン生まれ。音楽、現代美術、舞台芸術の分野で活動。南シベリアに伝わる伝統的な歌唱法ホーメイや、心臓の鼓動を音と光に還元するパフォーマンス、骨伝導マイクによって頭蓋骨の震動を増幅するパフォーマンスで、国内外の音楽シーンや舞台芸術フェスティバルに参加。現代美術の分野では、自らが口する「パ」という音節の所有権を100万円で販売した『「パ」日誌メント』(2011-)などを発表。また身体に関わる日常的な営みの根本を問う舞台作品の演出『黒髪譚歌』(2010)など、あらゆる分野を横断しながら、「身体からはじまる表現」を展開している。
http://fuyuki.org/
配信:SphinkS
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