アーカイブ室活動から国立天文台博物館構想へ
"From the archive room in the Public Relations Center to the National Observatory Museum"
配信日時:2013年2月15日 (金) 16:00-17:00 大セミナー室(国立天文台三鷹)
16:00-17:00, Friday, Feb 15, Large Seminar Room (NAOJ, Mitaka)
Speaker:
中桐正夫・縣 秀彦 (天文情報センター・アーカイブ室)
Masao Nakagiri, Hidehiko Agata (Public Relations Center)
Abstract:
2008年に天文情報センター内に設置されたアーカイブ室の将来計画として2010年頃から(仮称)国立天文台博物館という構想をもつに至った。これは当時天文情報センター長であった渡部潤一氏と中桐が中心となって進めてきた構想であり、平成23年度、24年度に博物館建物に関する概算要求を台内にお願いしてきた。
主なアーカイブ室活動としては、レプソルド子午儀(1880年、ドイツ製)を発見し、台内に残っていた子午儀類を集め「子午儀資料館」を開設した。
レプソルド子午儀は2011年重要文化財に指定された。さらに自動光電子午環室を整備し、観測機器、測定機器、その他資料を集め「天文機器資料館」とし、太陽塔望遠鏡棟を整備し「分光器資料館(仮称)」とした。このように既に3つの史料館が整備されている。その他、貴重な乾板類の整備も進んでいる。
現在、日本には本格的な天文博物館は存在しない。これまでに古い建物のいくつかは取り壊され、望遠鏡は散逸していった。残された歴史的遺産の散逸を防ぎ国民の財産とするために国立天文台は博物館機能を持つべきであろう。また、台内には最新の天文学につながる展示やアウトリーチを期待する声も多く、天文情報センターでは台内外の意見を参考に博物館組織を構想中である。
講演内で紹介されている施設は、国立天文台ガイドツアーで、実際にご覧になる事ができます。是非、お申し込みください。
http://www.nao.ac.jp/access/mitaka/guide-tour.html